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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

NSR500F-8801等

http://jfrmc.ganriki.net/bekkan/h/nsr500/nsr500.htm

 この1988年型NSR500(NSR500F-8801)は1988年秋、ある二輪用品販売店で展示されたもの。他にRVF750、NXR750等も展示されていました。
  

 下は1998年日本GPのピットで撮影したドゥーハンの1998年型NSR500(NSR500F-M801)。


 NSR500F-M803、M807、M812も同時に撮影したものです。








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ホンダNSR500

別館に

ホンダNSR500(85-02)

を追加しました。その中の写真についていくつか説明します。


 この写真は1987年3月に20年ぶりに世界選手権として行われた日本GPの時に撮影したものです。正面ゲートを入り、階段を下りていく途中右側にある建物(物販・展示)で展示されていました。
 NSR500は1987年型から2気筒前方排気・2気筒後方排気になったのですが、それが第1戦のこんな場所で展示されていたので驚きました。1987年シーズン前テストで用いられたマシンなのでしょうか?

ホンダとモンディアル

https://x.com/dadakomach/status/1888558255871549441

しかしそんなホンダもGP参戦当初はまったくパワーがなく絶望的に遅いマシン  いつも苦労して整備していた日本人を熱い目で見ていたのが 老舗メーカーのイタリアのモンディアル  資金難でGP撤退が決まっていた 「よかったら、俺たちのエンジンをもらってくれ」と ホンダチームにGPエンジンを進呈 帰国後ホンダは~モンディアルのビアルベーロエンジンを徹底研究 ホンダはそれを上回るパワーのエンジンを作ってしまう

 ホンダのGP初参戦は1959年マン島TT125ですが、この記事ではモンディアルエンジン入手は1959年マン島の後、あるいは1960年シーズンのことになりますし、「(モンディアルの)GP撤退は決まっていた」からすると、1959年、または1960年にモンディアルはGP参戦していたことになります。
 
 しかし、ホンダがモンディアル125㏄レーサー(エンジンだけではなく完成車)を入手したのは1958年ですし、モンディアルのGP撤退は1957年シーズン後のことです。
 これはよく知られた話で、どうしたらこんな勘違い記事を書けるのか不思議なくらいです。


 当時の技術者の八木静夫氏の記事(HONDA R&D Technical Review 1994)

RC140 1958年、本格的なTTレース出場を目指した125ccエンジンの開発に当り~4月にRC140(φ45.0×39.0×2)の設計に入った。~その当時、我々は幸運にもイタリアの市販レーサであるモンディアル125ccを入手することが出来、急遽その性能解析を行った。最高出力は16.5PS(132PS/L)/11500rpmで、排気系のディフューザ効果など学ぶべきことが多くあった。
RC141 RC140の試作およびモンディアルの解析により本田社長および担当者から次々と新しいアイデアが出され、10月には改良モデルRC141(φ44.0×41.0×2)のレイアウトに入った~


 RC141及びその4バルブ型のRC142が1959年マン島に出場しました。

ホンダ75度V型3気筒(3) 

https://jfrmc.tou3.com/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%8075%E5%BA%A6v%E5%9E%8B3%E6%B0%97%E7%AD%92

で書いたように3気筒エンジンの1次慣性力を釣り合わせるためには、各気筒の慣性力の向きを120度間隔に配置するしかありません。
 下図は直列3気筒の模式図で、太い線が各気筒のクランクピンの向き、矢印が各気筒の1次慣性力の不釣合いの向きです。

 これを横から見ると

 V型3気筒の1次慣性力を釣り合わせるためには、例えば下図のように後バンク(1気筒)の1次慣性力の不釣合いが緑矢印の向きになるようにクランクピンを配置すればよいのです。
  


 横から見ると次のとおり。2桁の数字は角度です。


 この点火サイクルは次の4とおりになります。

 なお、緑と赤を入れ替えたレイアウトの可能性もあり、その場合、点火順序は変わりますが、点火間隔は上の4種類と同じです。


 ただ、前回書いたようにクランクシャフトで1次慣性力が釣り合っていない可能性もあるので、A~D以外の点火間隔が正解である可能性は十分あります。


ホンダ75度V型3気筒(2) 

 直列3気筒の前に直列2気筒の1次慣性力の釣合いについて考えます。

 下図はバランサーシャフト付きの180度クランクエンジンの模式図で、上がクランクシャフト、下がバランサーシャフトです。
 各気筒の最大1次慣性力(上死点時、下死点時)をPとして、クランクシャフトのバランスウエイトを0.5P相当分としますと上死点、下死点での不釣合いはそれぞれ0.5Pになります(赤矢印)。
 2本の青矢印はバランサーシャフト(クランクシャフト同速逆回転)のバランスウエイトの遠心力0.5Pです。


 黒矢印はクランクシャフト、バランサーシャフトの回転方向で、すぐ横の赤矢印は不釣合力の回転方向(クランクシャフト回転方向とは逆方向)です。

 クランクシャフトだけ見ますと、2つの赤矢印の向きが逆ですので力は釣合っていますが、図ではクランクシャフト全体が右回りする力(偶力)が生じています。

 バランサーシャフトでは青矢印によりバランサーシャフトに左回りの力(偶力)が生じ、クランクシャフトの偶力を打ち消しています。

 結果として、1次慣性力は釣合い、偶力も生じません。

 次に360度クランク2気筒、単気筒について考えます。

 図はバランサーシャフトが1本の例で、青矢印の大きさはPです。クランクシャフトでの1次慣性力の不釣合いは0.5P×2=Pなので、力としては釣合っていますが、図で分るように全体が前方向に回る力(これも偶力)が働いています。ただし、この図の配置であれば、クランクシャフト、バランサーシャフトが90度回転した状態では偶力は生じません。
 このようにクランクシャフトで1次慣性力が釣り合っていないならバランサーシャフト1本で偶力が生じないように慣性力を釣り合わせることはできず、下図のようにクランクシャフトの前後にバランサーシャフトを配置する必要があります。

 単気筒の場合も基本的な考え方は同じです。

 ところが、360度クランク2気筒、単気筒であってもバランサーシャフトを1本で済ませている例は少なくありません。

 また、270クランク2気筒(下図)もクランクシャフトで1次慣性力が釣り合っていないので、偶力を生じずに1次慣性力を釣り合わせるためにはバランサーシャフトが2本必要ですが、1本で済ませている例が少なくありません。

 
 バランサーシャフト装着は、そこだけ見れば重量増、摩擦損失増ですのでないに越したことはありませんし、装着するにしても本数が少ない方がよいのはいうまでもありません。

 3気筒エンジンはバランサーシャフトなしに1次慣性力が釣合い偶力も生じないようにすることはできませんが、クランクシャフトで1次慣性力が釣り合っていればバランサーシャフト1本で偶力は打ち消されます。
 しかし、クランクシャフトで 1 次慣性力が釣り合っていなくても、バランサーシャフト2本で偶力も生じませんし、バランサーシャフト1本だとしても上の2気筒の例と同様、成立しても不思議ではなく、クランクピンレイアウト、点火間隔の可能性の選択肢は非常に多くなります。

 ただ、2気筒ではなく3気筒なのですから、クランクシャフトで1次慣性力が釣り合っており、バランサーシャフト1本で偶力が打ち消されており、クランクピンレイアウトに制限があるとして以下の記事を進めます。

続く



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