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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

RACERS Volume 35(9月26日追記)

阿部典史が乗ったYZR500を取り上げています。この頃のヤマハ500はローソン、レイニーが去った後、基軸となるべき優れたGPライダー不在でマシン開発の方向性が定まらなかった混迷の時期でした。

 で、ちょっと読んで気になる箇所。

77頁
○「久しぶりにスライドバルブ型YPVSを装備した0WJ1エンジン」とあります。しかし写真では鼓型に見えますが・・・70、71、74頁の写真でもそうです。

78頁 
○1996以降のボア×ストロークが54×54mmで、排気量499㏄になっています。54×54ですと495㏄なのですが・・・ヤマハのこれまでのサイトでも54×54mmですが、実際は54×54.5mmなのでしょうか?
○1993~1997のキャブレターのパワージェットの有無が「無」になっていますが、66~67頁の写真ではパワージェット有に見えます。

74頁
○「ボアが大きい方がポート面積を稼ぎやすく」

 よく勘違いされますが、逆です。56×50.7と54×54を比較すると、

シリンダー周長  56>54の比率で前者が大
ピストン摺動高  54>50.7で後者が大

で、(54/56)×(54/50.7)で後者がピストン摺動面積2.7%大になり、ポート面積もこれに略比例して後者が大きくなります。その後の「ロングストロークの方がピストンスピードが高い分~~~」記述も?です。

  (9月26日追記)RACERS Volume12(スズキRG500) 64頁では「'74年から~シリンダーのポートは、排気、吸気、掃気×2、ループ掃気の5ポートだった~54×54㎜のボア×ストロークとなった~年のXR14からは、ストロークが伸びたことを利してポート面積を広く取ることが可能になり 」とあります。
 
 
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RACERS

毎号購入しているRACERS。「今だから言える」記事があったり、当時見なかった写真があったりして、貴重なものですが、記述の誤りが散見されるのが残念です。それによって歴史が捏造されることになるからです。

https://twitter.com/alpensalz/status/536016639607590912

の「RACERSは、テクニカル風味のエンタメ本ですから…(笑)。そう割り切らないと、作れません。」を書かれたのが、本当にライター氏なのでしょうか?

そうだとするなら、間違いだらけの記事を開き直っているようですね。

RACERS VOL34

本日発売でした。
細かいところはまだ読み込んでいませんが、最初のところで気になる記述。

●12頁
「'70年代中盤から’80年代初頭にかけて、全日本選手権ロードレースの頂点はF750選手権で、世界GP500に向けた大排気量マシンのフィールドであったが~」

 言葉を省略しすぎで何を言いたいのかよく分らない。また国内規定はF750ではない。

「レースポイントの付与対象は20台以上販売する公認車両」

 200台の誤り。「販売」は「200台販売可能」という解釈(市販車でも売れ残りがあるのだから)。TZ750やTZ500の国内販売台数が少ないので「200」を「20」の誤植と勘違いしたのか。あるいは「国内規定をF750と勘違い+認定可能生産台数25台を販売台数20台と勘違い」なのか。なお、F750世界選手権は1979年を最後に終了したが、その1979年には生産台数の規定は撤廃されていた。
 
「~'74年の販売以来、セニア750、その後エキスパート750と呼ばれていた~TZ750に乗っており」

 TZ750が国内販売され公認されたのは1977年シーズンから。

●13頁

'81年のスズキRG500の公認取得」

 80年に公認取得(シーズン前だったのかシーズン序盤だったのか要確認)。

「'82年。スズキはXR35の市販バージョンと言われたRGBを駆る」

 XR34の誤り。

「阿部孝

 孝夫。

●15頁
(写真説明)「XR35のフルコピーだった’82年型RGB500」

 XR34の誤り。

「スクエア4のYZR500(0W54)~第2戦筑波

 0W60の誤り。また0W60の国内初登場は第3戦鈴鹿だった記憶。

●17頁
「'84年の水谷は~スズキから貸与された前年のRGΓを走らせる」

 1984年型市販RGB500の誤り。88頁に(伊藤巧選手は)「’85年には~アルミフレームの’84水谷車(RGB改)にスイッチ」とある。
 
ちょっと読んだだけでこれだけ間違いを発見。間違いのレベルからすると、他の記述が大丈夫とはとても思えない。

2ストロークの排気管

続いてロードライダー誌 2015-8の記事です。

70頁
「排気タイミングを早めようとして排気ポート上縁を高くすると圧縮比が低下してしまう点だ」
「排気タイミングを早めつつ圧縮比を高めるのは難しい」

 排気タイミングを早めると(それだけでは)圧縮比が低くなりますが、その圧縮比対策だけなら、上死点時の燃焼室容積をさらに小さくすればよいのです。
 排気タイミングが早めて問題なのは(そのままでは)充填効率が低下するからです。

「圧力波というのは粗密波であり、負の圧力波=密度の谷と考えればよく~開いた排気ポート周辺に密度の谷ができれば、そこに向かって燃焼ガスが流れやすくなるのは容易に想像できる」

 圧力=密度としています。それぞれの意味(物理化学上の)が全く理解されていないように思います。

2ストロークエンジンの吸気機構

ロードライダー誌2015-8の72頁に次の記述があります。

「~ピストンバルブや~ロータリーディスクバルブは、1次圧縮を行うクランク室内の圧力とは無関係にポートタイミングを設定することができる」
「~無関係と言うと語弊があるので、クランク室の圧力と吸気ポートの開閉タイミングが常に一致するとは限らない・・・と言った方が良い」
「ところがこれを逆手にとり、混合気の慣性~を考慮したポートタイミングの設定が、上記2方式だと可能である。」
「~比較的近年まで、ピストンバルブやロータリーディスクバルブのレーシングマシンが多かったのは、こうした理由による。」

 リードバルブは混合気の慣性を利用できないような書き方ですね。
 
 クランクケースリードバルブも混合気の慣性を利用するのは同じです。というか混合気の慣性によって多くの混合気をクランクケースに押し込むことができます。ポートタイミングの設定を行う必要がないだけです。

  ピストンバルブはピストンが上昇行程でも下降行程でも同じピストン位置で吸気ポートが開閉します(開き始め=閉じ終わり)。したがって、ピストンが下降行程になってクランクケース内圧力が高くなっても吸気ポートはすぐには閉じません。だから72頁中段にあるように「低回転で吹き返しが多くなり」ということが起きます。むしろ混合気の慣性(だけではありませんが)を利用しないとうまく作動しないのです。そして混合気の慣性等を利用したとしても限界があり、吸気期間を長く取ることができません。

 リードバルブの弱点は吸気抵抗(リードバルブ自体の抵抗)であり、混合気の慣性を利用できないからではないのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ところで、37頁のマシンのフレーム番号がYZR500-B-9601となっていますが、YZR500-B-9607の誤りです。同頁の左下端の写真に「9607」のプレートが写っています。
 また、バイルがチーム・レイニーになっていますが、チーム・ロバーツだった記憶です。現在のヤマハのHPでもそうです。
http://global.yamaha-motor.com/race/wgp-50th/race_archive/season1990_99/1996/
 他の頁でも、694㏄だったり695㏄だったり、0W19だったり0W20だったり統一がとれてない箇所がある等・・・これ以上は止めておきます。

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