レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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1960年代、スズキで活躍したヒュー・アンダーソンの記事です。
で、101頁に登場する「バート・シュナイダー」が「オーストラリア」になっています(2箇所)。もちろん、「オーストリア」の間違いです。シュナイダーという名前からすればドイツ語系と思わないといけないのですが・・・それでも間違われるオーストリアが可哀そうですね。
1994年日本GP125㏄のレース結果を報じた某新聞の記事で、勝者の辻村猛について「昨年豪州GP以来の勝利」とありました。もちろん、豪州はオーストリアの間違いです。大新聞でも間違える・・・いや二輪に興味がないくせに記事を書く大新聞だから間違えるのですが・・・風まかせのライター氏はどうでしょうか。
その他
98頁で、ジェフ・デュークが来日したのが1960年9月になっています。どうやってデュークは6月のマン島に出場するスズキマシンを、事前にテストすることができたのでしょうか?
また、マン島のコースについて「マンクスGPの冠をつけたアマチュアのための公道レースは継続されている」と、マン島TTレースが行われなくなっているかのような文章です。
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RACERS volume28 12頁の次の記述がある。
「不気味なエキゾーストパイプこそ、父POP吉村(吉村秀雄)が発明した世界で最初のバイク用4-1集合管だった。」
「バイク用では世界初だったが、実は4輪ではエキゾーストをまとめる手法は以前から存在した。~ただ、タコ足は、コンパクトに排気系をまとめるためという省スペースの発想から生まれたもので、パワーやトルクを増大させる目的ではなかった」
「'71年の終わり頃(注:72年の終わり頃の誤りと思われる)には、コピー品の集合管がいろいろ出回った~POPが集合管のパテントを取得していなかったから、違法ではなかった」
ライター氏は、ヨシムラの4-1排気管が特許に値する「発明」と考えている。
バイク用の4-1排気管にはNimbus、Indian等の例がある。もちろん、これらは出力等を優先に採用されたものではないが、少なくともヨシムラ4-1が世界初の4-1ではない。
また、4輪のタコ足が「コンパクトに排気系をまとめるためという省スペースの発想から生まれたもので、パワーやトルクを増大させる目的ではなかった」というがその根拠は何なのか?
フォード・コスワースDFVの出力レベルを知れば、軽々しくそんなことは言えないと思うのだが・・・吉村不二雄氏は同頁で「4輪で使っていたから、性能がダウンすることはないと思っていたよ」と語っており、吉村不二雄氏自身、4輪レース用エンジンでも出力優先で4-1(v8気筒であれば、その4気筒分)が採用されていたことを理解している。
また、3気筒レースエンジン(市販車エンジンベース)ではBSAが3-1排気管を採用しており、「集合管」が用いられていた。
仮にヨシムラ集合管という形が特許に価するものだったとしても、特筆すべきことなのかというのが正直な感想だ。
ヨシムラの功績はバイクレース用初(かどうかわからないが)の4-1集合管を採用したことではなく、2輪4輪関係なく、一般市販エンジンベースで4-1集合管で高出力を生み出したことそのもであり、特許云々を言えば言うほど、2輪の技術レベルが低いとアピールする結果になると思う。
今日発売でした。「ヨシムラ空冷時代」です。油冷(実際は空冷)になる1985年の前、1984年までのヨシムラ・スズキ特集です。
この頃の8耐、毎年、見に行っていました(1982年は仕事で行けず)。行かなくなって〇年になりますが、それでもこの時期になるとあの頃のことを思い出します。また、真夏にバイクに乗っていても、8耐を思い出すこともあります。
そんなわけで、マシンについての記述が少ないのはともかく、懐かしく読むことができました。
で、お約束の気になる記述ですが・・・
40頁14行目「耐久選手権はTT-F1規格なので4ストローク」 この頃、ヨーロッパで行われていた耐久選手権はヨーロッパ選手権だが、TT-F1規格ではない。だからこそRCBが走れた。ライター氏は何を勘違いしたのか。
41頁14行目「RCBの♯6は1周目の最終コーナーで転倒、リタイアとなっていた」 スズカの公式記録
http://www.suzukacircuit.jp/motorsports_s/library/img/history/1978-final.gif で周回数1となっている。優勝マシンの周回数194は8時間で194周を走り切ったことを示しているので、「1」は1周を走り切ったことを示している。つまり転倒したのは2周目。
1周目の終わりのストレートで♯6のRCBが遅いマシンの集団をとんでもないスピード差で抜くのを見た記憶がある。
43頁右下写真説明「’74年の世界耐久チャンピオンマシンとほぼ同じ仕様」 世界耐久になるのは1980年。
81頁終わりから11行目「この2次振動は実はやっかいで、2次振動バランサー(クランクの2倍の回転数。理想的にはクランクと逆回転する2次2軸となる)を装備するエンジンもある」
http://www.honda.co.jp/factbook/motor/CBR1100/199607/cbr96-005.htmlでは2次2軸のうち1軸はクランクと同回転方向。そうしないと2軸にする意味が激減する。
84頁右上写真説明「ケイヒンCRキャブはΦ31mmの製品をPOPが仕上げて31.5mmに若干ボアアップ」 当時のTT-F1では、ノーマルサイズの29mmに制限されており、1982年シーズンからこの制限が消えた記憶。
89頁2段8行目「ボルドール24時間で2位」 Samin/GrossのXR69が優勝している。
今月号の別冊モーターサイクリスト誌 109頁の記事ですが、
右上の写真説明が3気筒のスズキRP68になっていますね。ライター氏はピストンが2つしか写っていないことは認識しているのですが、「信ずる者は救われる」でもう一つのピストン、クランクは外されていると思っているようです。
この写真のエンジンは2気筒RK67のものです。
RP68の2気筒分のアッパークランクケース(他の1気筒のロアークランクケース)はこちら。
http://jfrmc.ganriki.net/rp68/p8-3.jpg
同ロアークランクケースはこちら。
http://jfrmc.ganriki.net/rp68/p8-1.jpg
RK67(14速型)のロアークランクケースはこちら。
http://jfrmc.ganriki.net/rk/k7-2-4.jpg
ライター氏は、これまでRP68もRK67の写真も見たこともなかったし、見たとしてもどこにクランク等が収まり、動力がどう伝わっていくかも分らないのでしょう。
(2/20加筆)もちろん、「14段!」と書いてあっても写真に写っている変速機は12段であることも。
なお、同頁の記事で、
アンダーソンが1963年からスズキチームに加入したことになっていますが、1961年マン島TT250㏄でスポットでスズキに乗り、1962年シーズンはスズキと契約しています。
http://www.iom1960.com/other/anderson.html
アンシャイトが1966年にスズキチームに加入したことになっていますが、1965年最終戦日本GP50㏄クラスにスズキで出場しています。
今月号のバイカーズステーション誌の106頁に全50問のクイズがあります。
実のところ、私はこのようなクイズは好きではありません。今の時代、ネットで検索すれば、正解はたいてい分ります。そんな薀蓄をただ並べることに何の意味があるのかと思います。
とはいうものの、少しだけ反応しますと・・・
38問の「エンジンのビッグエンドとは何のこと」の選択答が
A ツインカムの大きいシリンダーヘッド
B コンロッドとクランクピンの間のベアリング
C エンジンが爆発して壊れること
となっています。
おそらくBが答えだと思いますが、実は正しくありません。ビッグエンドがあるからにはスモールエンドもあります。これはコネクティングロッドの「大きい方の端部」、「小さい方の端部」のことで、それぞれ「大端部」、「小端部」という日本語があります。端部=ベアリングではありません。
43門の「マグネシウムの鋳造ホイールとチューブレスタイヤを最初に装着したレースマシンは」の選択答が
A ジョン・プレイヤー・ノートン
B アーターマチレス
C カワサキKR500
となっています。
レース記録ならともかくメカニズムについての「最初」の判断は難しいものです。ましてこの問のように「最初に装着してレースに出場したマシン」ではなく「最初に装着したレースマシン」ですから、レースに出なくてもよいという条件になると世界初を探すことは事実上困難ではないでしょうか。
仮にこの問が「最初に装着してレースに出場したマシン」だったとしても、レース記録にそのことが残っているわけではありませんし、写真が残っていたとしても、キャストホイールの材質や、タイヤがチューブ入がチューブレスかは分りません。何が最初かを特定するのは困難なのです。
http://peterwilliamsmotorcycles.com/innovations/
で、Peter was a pioneer in his field and was
one of the first to design and race
with disc brakes, cast magnesium wheels and tubeless tyres, literally
reinventing the wheel.
とあるのは、そのような意味だと思います。