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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

点火せん

(3) Aktal/あくたる on X: "終えん(終焉)←おわれよ 処方せん(処方箋)←処方しろよ はっ水(撥水)←気づくな あっ旋(斡旋)←気づくな 悲そう(悲愴)←悲しそうなのかな? 狭あい(狭隘)←せまいことを強調すな ↑地獄の混ぜ書きシリーズ" / X


 点火せん(点火栓)←点火しろよ  も追加で。

 エンジンの話(熊谷清一郎、岩波新書1981)の中で「点火せん」を嘆いておられましたね。


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ノートン チャレンジP86(8)

P86のフレームは、エンジンをフレームの主要部分とし、エンジンの前後にサブフレームを装着したもので、後サスペンションのスイングアームピボットもクランクケースにあります。

The Norton Challenge P86 | Cosworth 746cc Twin | MCNews


  エンジンにサスペンションが生えたような形は、エルフX(後のエルフe)※が有名ですが、P86が登場したのはエルフXの登場(1978年)の前ですので、エルフXの影響ではありません。

※エルフeのエンジンは、当初はヤマハTZ750、後にホンダCB900Fレース仕様になりましたが、エンジンにサスペンションを直接装着できる構造ではないため、エンジン周りにサブフレームがあります。

elf History


 P86がこのような形を採用した理由としてまず考えられるのは軽量化です。そして、当時のF-1カーであれば、ドライバーの着座位置より後はエンジン・ギアボックスが車体としての機能を担うのが普通でした。ですからP86のフレームはF-1の影響かもしれません。「二輪は遅れているから改革したい」ということでしょうか?(邪推)

 さて、レーシングマシンとして見た場合、このようなフレームの弱点として、通常のパイプフレームと比べフレームの主要部分(エンジン本体)の剛性が高すぎ、ハンドリングよくないことが考えられますが、もう一つの切実な問題と思われるのは振動です。

 750㏄並列4気筒、750㏄バランサーシャフト付き並列2気筒の振動対策は500㏄単気筒より楽と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。

(続く)














ノートン チャレンジP86(7)

 ノートン・チャレンジP86の重量データは次のとおりです(以下、出典はCosworth-Norton.pdf(リンク)。

P86とライバル車(おそらくTZ750)のエンジン重量内訳
 P86はライバル車より

エンジン回転部分 35ポンド(16kg)
エンジン他部分 20ポンド(9kg)

重たいことになります。

 そして「P86は4ストロークでライバル車は2ストロークなのだから、P8エンジンが重たいのは当然」ではありません。P86は「2気筒なのに4ストローク4気筒より重い」のです。

ホンダCB750のエンジン単体重量は75㎏程度 CB750Four オーバーホール その72 エンジンを積む練習をするぞ! の巻 | ラーツー日和

 他のサイトでは80㎏とするものもあります。キャブレター装着の有無の差でしょうか?


 こちらでは、ヤマハXJ750:79㎏ ‘80s国産名車「ヤマハFZ750」再見【新時代を切り開いたヤマハ4ストの革命車】│WEBヤングマシン|新車バイクニュース

 Cosworth-Norton.pdf(リンク)が正しいなら、P86エンジンはライバル2ストロークエンジンはもちろん、4ストローク4気筒エンジンより重く、その最大の理由はクランクシャフト、バランサーシャフト等回転部分の重さと思われます。

 




ノートン チャレンジP86(6)(加筆あり)

 P86の出力が計画より低かった理由として、キャブレターの内径以外に次のことが考えられます。

〇従来のキャブレターを使用するため、キャブレターを傾けられず、DFVのように吸気ポートを立てることができなかった。
〇360度クランクのためクランク室内容積変化が大きいが、その対応設計が十分ではなかった。
〇バランサーシャフトを駆動する損失がある。また、クランクシャフトのバランス率が低く(おそらくゼロ)、クランクベアリングの摩擦損失が大きかった。そして、バランサーシャフトの遠心力を大きくしたことにより、ベアリングの摩擦損失が大きかった。

あたりが考えられます。
 一方、当時のスズキTR750(XR11)の最高出力推移は(出典:TEAM SUZUKI by Ray Battersby, Osprey 1982/Parker House  2008)
1972 100HP
1973 107HP
1974 110HP
1975 116HP
 この出力は変速機出力シャフト測定と思われます。
 P86が構想された1973年当時、DFVの1/4の115HPなら日本の2ストローク750(TR750、カワサキH2R)に勝てるとノートン、コスワースは見込んだようです。 

 スズキ、カワサキが改良されず、そして1973年半ばにTZ750の1974年登場が確実視されることがなかったのなら、この見込みもある程度意味があったでしょう。
 しかし、それにしては、P86エンジンの基本設計は一般市販車バージョンを考慮したとしか思えない、妥協の産物のようなものに思えます。これで勝てると思ったとしたら、あまりにも見込みが甘すぎます。
 強力なライバルに勝つためには、次のようなエンジンが必要だったと考えます。
〇180度クランク(センターベアリングあり)
〇ギア駆動1軸バランサーシャフト
〇動力取出しはチェーンではなくギア
〇動力伝達経路はクランクシャフト→クラッチ→(同軸)変速機メインシャフト→変速機カウンターシャフト
〇カムシャフト駆動はギアトレイン
〇シリンダーは30度程度前傾、吸気菅を立てる
〇燃料噴射
 そして、これだけやっても、スズキ、カワサキが改良され、ヤマハTZ750が登場した1974年には明らかに出力で劣ることになったでしょう。
※DFVの出力は英馬力(ヤードポンド法馬力)、スズキの出力は仏馬力(メートル法馬力)と思われるが、その差(1英馬力=1.014仏馬力)は無視した。




ノートン チャレンジP86(5)

https://classicbike.biz/Norton/Mags/1970s/Cosworth-Norton.pdf

 によるとP86エンジンの最高出力は95HP※だったとのこと。

 この出力を変速機出力シャフトとします。


 1974年当時のF-1トップチームのDFVエンジン最高出力を460HPとしますと、1/4では115HPです。

 変速機等の伝達効率を95%とすると109HPですが、実際の最高出力はこれより13.0%低い95HPです(95HPが前バランサーシャフト測定なら115HPの82.6%)。

 95HPに留まった理由としてまず考えられるのは、DFVは燃料噴射なのに対してキャブレターだったことです。

 P86のアマルキャブレターのベンチュリー径は40mmですが、想定される出力、回転数に対して小さすぎます。


 1973年、ホンダCB125S(125㏄単気筒・OHC2バルブ、1975年のモデルチェンジによりCB125JXに)にホンダRSCのキットを組み込んだエンジンの出力は

 20.8PS/12000rpm(変速機出力シャフト)

で、キャブレターはケーヒンCR31でした。

 この数字を元に、「排気量と回転数」(リンク)、「レーシングエンジン出力の相対比較」(リンク)と同様に試算します。

 CB125Sレースエンジンの出力をP86に当てはめると

86.5PS/8320rpm

に相当し、キャブレター内径は

31×(375/125)1/3=44.7mm

になります。


 そして、当時のDFVの最高出力発生回転数を10500rpmとすると、8320rpmから10500rpmへ26%回転数を高めるためには、キャブレター内径をさらに49mmに拡げる必要があります。


(もちろん、これはベンチュリー部の境界層のことなど全く考慮しない単純計算で、そのまま実エンジンに当てはまる訳ではありません。)

 また、DFVの吸気バルブ径(吸気2バルブ)は34.5mmですが、これは吸気1バルブでは48.8mm径に相当します。ですから、P86のキャブレター内径40mmは、吸気バルブ相当径より小さいのです。

 以上のことから、P86の40mm径キャブレターが出力の制限因子の一つだったことは間違いないと考えます。


 もちろん、40mm径キャブレターを選択した理由として、さらに内径を拡げると適切な燃料霧化特性が得られなかったことも想像されますが、そうならば、それこそがキャブレターの弱点の一つです。


(続く)


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