このブログに「正味平均有効圧」で検索して来られる方が多い。
で、SI単位系の式も加筆した。
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「正味平均有効圧」という単語をバイク雑誌で稀にしか見ない。これは往復動機関についての基本的な概念で、英語では「brake mean effective pressure」、略してbmep、BMEPという。
まず、燃焼室内の圧力から出力を計算する式を工学単位とSI単位で示す。
力×距離=仕事で、時間当たりの仕事量が出力。
ピストンにかかる力は、ガス圧×ピストン面積で、ピストンの動く長さはストローク(行程)。
したがって、ピストンがする仕事は
ガス圧×ピストン面積×行程=ガス圧×排気量
になる。このガス圧は「圧縮行程」等(マイナスの仕事をする)を考慮した平均。4ストロークエンジンの場合、2回転に1回しか仕事をしないので、1秒あたりの仕事の回数はrpm/(60×2) 。1馬力は75kgf・m/sなので、馬力は単位を揃えて
馬力=平均圧力(kgf/cm2)×ピストン面積(cm2)×行程(cm/100)×rpm/(60×2×75)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(cm3)×rpm/900000
赤字部分をSI単位にすると
1kWは1kJ/s=1kNm/sなので、出力kWは単位を揃えて
出力kW=平均圧力(MPa)×(1000)×ピストン面積(cm2/10000)×行程(cm/100)×rpm/(60×2)
=平均圧力(MPa)×排気量(cm3)×rpm/120000
実際に燃焼室内の圧力を測定して求めたのがimep(indicated mean effective pressure)で、bmepは実測した出力から上式により逆算したもの。 例えば150PS、1リットル、10000rpmなら、BMEPは13.5kgf/cm2になる。機械損失があるのでimep>bmepであり、機械損失を圧力で示すこともある。
なお、上式から分るようにbmepは「排気量あたりのトルク」と比例関係にある。トルク、出力は排気量に比例して増大するので、排気量に関係のないエンジン性能指標としてbmepが用いられる。
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国会で蓮舫が点火プラグを片手に首相に質問していたようですね。
http://www.buzznews.jp/?p=2104256
アメリカの点火プラグといえばチャンピオンです。ホンダが1960年代にF1に参戦していた頃、NGKを使用していましたが、チャンピオンに替えたところ、
・燃費がよくなった
・ヒートレンジが広く、それに合わせて燃料噴射量を調整するとさらに燃費がよくなった
(記憶ですので、鵜呑みにしないでください)
というように、二輪はともかくF1ではNGKはチャンピオンに劣っていたようです。
1976年のフジのF1で、コジマF1はNGKを使用していましたが、これに注目したのがロータスで、1977年からNGKがロータスに用いられることになりました。少なくともロータスはチャンピンよりNGKが優れていると評価したのです。
二輪市販車用のプラグでは、1977年発売のヤマハ・パッソルにチャンピオンが純正指定されましたが、品質はそれほどでもなかったようです。
レースの方では1985年シーズンを最後に(少なくとも)世界GP、全日本選手権から撤退。それ以来、私もチャンピオンに注目することもなくなってしまいました。
今週末に開催されます。昨年は5月でした。
スケジュールは
http://www.suzukacircuit.jp/soundofengine/time/
4輪中心ですが、「CLASSIC BIKE」で何が走るのか楽しみです。仕事が入るかもしれませんが、少なくとも土日のどちらかには行けるでしょう。
5日、行ってきました。
レーサーではRD56とFZR750(0W74)が走る予定でしたが、他にRD05A(新造車)と0W81(1985)も。
RD56とRD05Aは本橋明泰さんが、他は河崎裕之さんが走らせました。
これはRD56走行後の様子。
そして、これは2008年の袋井での本橋さん。
あれから8年になります。77歳のはずですが、元気な走りを見せてくれました。集まっている人々、そしてヤマハの方々も楽しくて集まっている雰囲気で、楽しい時間を過ごすことがっできました。そうそう長谷川武彦さんもお見えでしたね。
ところで
https://www.facebook.com/YamahaCommunicationPlaza/photos/a.485592651554409.1073741836.373581082755567/1099187100194958/?type=3&theater
にあるように凄い人数でした。
駐車場からシャトルバスに乗ると到着が遅れるのを見越して、初めから歩くつもりでしたが・・・会場内の人数はどんどん増え3000人とか。スケジュールの遅れもあり、レーサーが走る前に、シャトルバスで帰路につく人もいました。もともと集客施設ではないので、来年はどうなるのか少し心配です。
見てきました。神戸で展示されるのは最後でしょう。神戸の展示状態(自然光等)はかなり良いようです。神戸の後、リニューアル後の「かがみはら航空宇宙科学博物館」で展示されますが、かがみがはらから出ることはないでしょう。かがみがはらでどんな状態で展示されるかわかりませんので・・・
今回、修復を行ったのは川崎重工の有志の方々ですが「よくぞここまで」と思います。感動のあまり少し涙が出てきました。歳をとったせいかもしれません。
展示された飛燕の経歴については、こちらに詳しくまとめられています。
http://dansa.minim.ne.jp/CL-Ki61.htm
主翼が切断されたことも・・・文化財ではなく単なる「出し物」として扱われてきた歴史です。
今回、やっと志を持った方々に修復され、文化財として保存されることを嬉しく思います。今回の修復→展示の意義。
二輪の世界ではかつてのレーサーの複製品が当時のものであるかのようにメーカー展示施設に展示されることがあります。新造エンジンのレーサーが「動態保存」ということにもなっています。
新造エンジンを否定するのではありません。新造エンジンによって当時の排気音に近いであろう音を楽しむことができるのですから。
しかし、古い二輪車が単なるメーカーの宣伝道具ではなく文化財であるなら、展示にあたってはは、その個体の由来を含めて事実をありのままに示すことが必須だと考えています。