アブガス100LLの性状は次のとおりで、モーターオクタン価min.99.6、出力価min.130です。アブガス100/130も同じオクタン価、出力価です。
AVGAS-100LL-Product-data-sheet.pdf (warteraviation.com)
115/145の性状は次のとおりで、モーターオクタン価min.115 出力価min.145です。
AVGAS 115-145 (warteraviation.com)
前回、紹介した航空事故調査報告書
AA2007-7-1-JA201X.pdf (mlit.go.jp)
では「 オクタン価とは、アンチノック性を表す数値で100が最大値である。 」とありますし、
この本147頁
Amazon.co.jp: 現代ミリタリー・ロジスティクス入門―軍事作戦を支える人・モノ・仕事 (-) : 孝司, 井上: Japanese Books
でも
そもそも、ある燃料のアンチノック性がイソオクタンを上回っている場合でも、計算上、オクタン価を求められます。その燃料とn-ヘプタン(オクタン価=ゼロ)を1:1で混合して、混合燃料のオクタン価が60なら、ある燃料のオクタン価は120ということになります。
もちろん、JISではこんな方法ではなく、4エチル鉛添加、トルエン混合によって調製した高オクタン標準燃料を使用してオクタン価100を越える燃料のオクタン価を測定しています。
エルフのレース用ガソリンは次のとおりで、各製品の頁をご覧いただければ、オクタン価100を越えるものがあります。
レース用ガソリン | Elf Japan (elf-lub.jp)
また、主な化学物質のリサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価は次の文献の表2をご覧ください。
ja (jst.go.jp)
航空事故調査報告書
AA2007-7-1-JA201X.pdf (mlit.go.jp)
「オクタン価*6については、2.12.2(1)に記述したとおり、同機の飛行規程では、使用燃料をAVGAS100/130又はAVGAS100LLとしており、自動車用プレミアム・ガソリンのオクタン価は98~100程度であることから、両者に差はない。」
「*6 オクタン価とは、アンチノック性を表す数値で100が最大値である。 」
オクタン価測定法に複数あることも、オクタン価が100を越えるものがあることも知らない委員の方々による報告書です。
さて、1990年前後、国内二輪レースでもアブガスが用いられており、鈴鹿サーキット近くのシェルのスタンドでも、歩道側の給油機でアブガスを販売していました。
当時のサイクルサウンズ誌には、アブガスのオクタン価は110~120とする記事がありました。
また、この本
Amazon.co.jp: RSマニュアル―RS125 250Rをマスターする (SANKAIDO MOTOR BOOKS―HRCレーシングハンドブック) : 亮一, 新井, 裕, 鈴木, サイクルサウンズ: Japanese Books
では105と書いてあった記憶です。
どちらも基礎知識なく取材した記事ですのであまり信用できません。ただ、日本で自動車用ガソリンのオクタン価がリサーチ法で示されていますが、ハイオク(プレミアム)のオクタン価が99.5前後であることからすると、アブガスのリサーチ法オクタン価は100以上でしょう。
アブガスには
82UL
80/87
91/96
100/130
100LL
115/145
がありますが、鈴鹿サーキット近くのシェルで売っていたのはどれなのでしょうか?
(続く)
Books&Cafeドレッドノート/株式会社鈴木商会 on X: "私の場合…昔話しで恐縮ですが、大使館にお手紙を書いて、「戦争関係の本を買いたいのですが、専門店を紹介してください」、するとかくかくしかじかの店が良いとお返事が来ます。 その紹介してくれたお店へお手紙でカタログを請求します。…" / X (twitter.com)
今はネットでクレジットカードで購入しています。例えばアマゾンでしたら日本、イギリス、アメリカのアマゾンをチェックして一番安いところから買っています。海外の方が航空便代込みでも安いことがあるのです。
1970年代~1995年ぐらいまではイギリスの本屋から購入していました。最初、丸善でイギリスのバイク雑誌を1冊購入し、広告欄(個人の「売りたし」~商店の広告まで)に小さく載っていた本屋に手紙を書いてカタログを送ってもらいました。
広告には「カタログ所望の方はsend SAE※」とあって、何のことか分からなかったので、取り合えず、礼儀として交換返信切手券1枚同封。
そして航空便で送られてきたカタログを見て注文、送金は初めは郵便為替で行いましたが・・・
ところで、味を占めてマン島の店からあるものを買うことにしたのですが、郵便為替は(マン島はイギリスではないので)使えませんでしたので、銀行送金になり手数料が高くつきました。改めてマン島が特別な存在だということを再認識した次第です。
当時、航空便は高かったのでいつも船便を利用しましたが、イギリス→日本は2か月~2.5か月程度要した記憶です。
※SAE stamped addressed envelope 切手を貼った返信用封筒