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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

現存する0W82

-/YZR250-B-601(エンジン番号不明)


 フジモーターミュージアムに展示されていた無パワーバルブ仕様の0W82。

 1986年シーズン終了後、「ヤマハ チャンピオンシップ カーニバル」(池袋)で展示された0W82と同じ個体のようです。
ヤマハYZR250・YZF750 チャンピオンシップ・カーニバル(池袋): scan19xx (seesaa.net)

 私がこのマシンを見たのは33年前で、その数年後にフジモーターミュージアムが閉館してからの消息はわかりません。ヤマハの倉庫に現存しているとは思いますが。


-/YZR250-B-602(エンジン番号不明)
 
 パワーバルブ仕様。

Carlos Lavado Yamaha YZR250 | With Phil Anysley | MCNews

 ウォーミングアップの動画。


 602のものとされる燃料タンクがオークションに出品されたことがありました。
JFRMCブログ ヤマハ 0W82(1986YZR250)のタンク?出品 (tou3.com)


YZR250 E 605/YZR250-B-605
 コミュニケーションプラザに展示されているパワーバルブ仕様の0W82。フレーム番号からすると平選手のマシンになります。「ヤマハ チャンピオンシップ カーニバル」で展示されたマシンとは、フェアリングのスポンサーステッカーの位置が少し異なりますし、排気管も微妙に違うようです。

 この605/605が1986年250cc世界GP最終戦サンマリノGPで優勝したマシンかどうかは外観では判然としませんが、優勝マシンであって欲しいと願っています。

 



 ヤマハ・コミュニケーションプラザでの整備の様子。
Yamaha Communication Plaza | Facebook




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YZR250-B-602

Carlos Lavado Yamaha YZR250 | With Phil Anysley | MCNews
 のYZR250-B-602ですが、フレーム右側のこの部分が溶接で付加されています。



 下のシーズン前公開写真と比較すれば違いが明白です。



 そして、実戦の写真、映像で確認できた限りでは、ラバード、ヴィマー、平の0W82はいずれもシーズン前公開写真と同じでした。

 ラバードの601は、日本GP及びフジスーパースプリントでもシーズン前公開写真と同じでしたし、私が1988年に見た601も同様です。

 602は第6戦オランダではシーズン前公開写真と同じでしたが、第7戦~第10戦では不明です。第11戦(最終戦)サンマリノの不明瞭な映像からはシーズン前公会写真と同じように見えます。

 現存する602の溶接跡は、世界GP後のテストのため、あるいはヤマハの手を離れた後の補修のため、いずれかによるものだと思います。




全日本選手権での0W82

  1986年全日本選手権では、長谷川嘉久、片山信二に0W82が与えられ、シーズン終盤には奥村裕が復帰し、0W82勢に加わります。

 全日本で走った0W82は基本的にパワーバルブ仕様のようで、今のところ無パワーバルブ仕様は確認できません。


第3戦菅生


  1分35秒あたりで、ゼッケン2(片山)、ゼッケン98(長谷川)の0W82にパワーバルブコントローラーから伸びる2本のケーブルが見えます。

第5戦筑波

  32秒あたり。

 片山の0W82はパワーバルブです。


第8戦筑波

  18分33秒あたり。

 片山の0W82はパワーバルブです。18分44秒あたりからすると、長谷川の0W82もパワーバルブのように見えます。


  日本GPでは片山、長谷川、奥村が出場しましたが、映像からすると片山、長谷川のマシンはパワーバルブエンジンのようです。



ヴィマーと平の0W82

 ヴィマーの0W82のパワーバルブの有無です。

 第1戦スペインGPレース後、ヴィマーが「ボクはパワーバルブの付いていないほうのマシーンを使っていたんだ」と語っています(グランプリ イラストレイテッド1986-7)。
 しかし、その後のレースでの状況はよくわかりません。

世界GP前のミサノ(イタリア)のレース(プラクティスかどうかは不明)。
Martin Wimmer (highsider.com)
 無パワーバルブ


オランダGPプラクティス ゼッケン4T(おそらく)YZR250-B-604
Martin Wimmer (highsider.com)
 無パワーバルブ

  ラバードと異なり、ヴィマーのマシンの写真は少ないのですが、ラバードと同様、無パワーバルブエンジンを多く使用したようです。
 
 平選手については、
下の平選手のインタビュー記事、そして少ない写真等からすると平選手はパワーバルブエンジンを使用することが多かったようです。

「彼(ラバード)の場合は、ヤマハの二タイプのエンジン、パワーバルブ付きと無しと。それで自分が乗った時、どうしても低速コーナーでバルブ付きが欲しいと思った所で、ラバードは高速仕様のバルブ無しを使ったりね。それで半クラッチを多用する~我々とは違うテクニックがある」(平忠彦写真集 きらめく汗のむこうに」(角川書店1987)

 参考まで、オランダGPプラクティスでのおそらくパワーバルブエンジンの(おそらく)YZR250-B-606。
Tadahiko Taira (highsider.com)

   下は第7戦ベルギーGPプラクティスの映像で、平選手が7:06 9:49 11:05 11:56あたりに登場しますが、無パワーバルブエンジンのようです。




ラバードの0W82の使い分け(2)

 世界選手権後のレースでは、

 日本GP(鈴鹿)は601に乗り優勝。
 スーパースプリント(富士)ヒート2は601に乗り優勝。

 下は日本GPのレース映像から切り出したもので、パワーバルブコントローラーから延びる2本のケーブルが見えます。


 テールカウルに1本線があります。


 なお、ライダースクラブ誌1986-11では「~予選ではYPVSなしで2分20秒493の1位、レースではYPVS装備で格闘戦に備えながら~」とあり、レースではYPVS(ヤマハ・パワー・バルブ・システム)エンジンが使用されたとしています。


 フジスピードウエイで行われたフジスーパースプリントは2ヒート制で、雨のヒート1でラバードがどちらのマシンに乗ったか確認できませんが、ドライになったヒート2で601に乗り優勝。

 高速コースのフジであれば無パワーバルブエンジン/602が適していたと思われますが、ヒート1は雨だったので601を選択し、ヒート2もそのまま601に乗ったようです。

 ヒート1とヒート2でマシンの変更がレギュレーションで認められなかったのかどうかは分りません。

(続く)



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