東京都環境科学研究所報2011(リンク)の表7に3銘柄のレギュラーとハイオクを夏(2010年8~9月)と冬(2010年12月~2011年1月)の成分データがあります。
3銘柄のレギュラーとハイオクを夏(2010年8~9月)と冬(2010年12月~2011年1月)に分析したものです。ですから各季、レギュラー3銘柄+ハイオク3銘柄の6検体の平均値です。
この表7に各成分のリサーチ法オクタン価(RON)を加えたのが次表です。
%は重量%です。
RONの空欄はオクタン価不明です。
枠外に※があるオクタン価は推定値です。
合計値が70%前後になっていますが、他の30%前後は1%未満の成分になります。
航空機用ガソリン(リンク)で書いたように、オクタン価はアンチノック性の絶対的な指標ではありません。オクタン価を測定するためのCFRエンジンと実際のエンジンは仕様が大きく異なりますし、測定運転条件も同様です。ですから、オクタン価の少し高い燃料の方が少し低い燃料よりアンチノック性が低いことがあり得ます。
そして、ガソリンは上表のように多くの化学物質の混合物で、その含有率は製油所(上表はあくまで3銘柄の平均値)、製造時期によって異なるのですから、例えオクタン価が同じであっても、エンジンによってそのアンチノック性は異なるのです。
ちょっと古い記事ですが・・・
ハイオクのオクタン価を計測したら「ガソリンスタンドによってこんなに違う…ヤバいゼ」オクタン価Gメンもビックリ!【その2】 | clicccar.com
いやいや驚きました! 石油元売り酷い。95オクタン台のハイオクが普通に流通しているという! | 自動車評論家 国沢光宏
ニューモデルマガジンXも取りあげて、関係省庁に取材を申し込んだところ、某省庁が興味を示したらしい。
関係者は
〇オクタン価とは何か? オクタン価はどのように測定するか?
〇自動車用ガソリンの測定法にリサーチ法とモーター法がある
〇リサーチ法オクタン価が物質A>物質Bだったのに、モーター法オクタン価では物質A<物質Bになることがある
〇夏場と冬場でガソリンの性状が変化する
〇オクタン価が同じ複数の燃料であってもエンジンによってはアンチノック性が異なることがある
を全く理解していないですね。
また、
〇購入したオクタン価テスターの測定原理がどんなものか?
〇その測定原理でオクタン価が測定できるとする根拠は?
も理解していません。「測定」と名が付けばどんな測定法であっても正しい測定結果が得られると信じているようです。
簡易オクタン価計測器の調査 | ココアシステムズ
によると、オクタン価100の標準物質・イソオクタンを同種のオクタン価テスターで測定すると78.2だったことが全てを物語っています。
(続く)
1980年鈴鹿8時間耐久について JFRMCブログ 1980年型カワサキKR1000 で触れましたが、同レースで優勝したのがスズキGS1000R(XR69)です。
スズキ歴史館に展示されているGS1000R。


エンジン番号80006(GS等の文字はない)、フレーム番号不明
この展示マシンが1980年鈴鹿8時間優勝マシンそのものかどうかは分りませんが、ゼッケン12なので優勝マシンの姿にレストアしたものです。
ただ、レストアの出来がよくないですね。一番の問題は以前も触れましたが、フェアリングの黒と赤の境界辺りの白線が優勝マシンでは1本線なのに、これは2本線になっています。レストアを担当した方(元ヨシムラ)が「(1980年当時)本当は2本線にしたかった」という理由で2本線にしてしまったのです。事前にスズキの了承を得たようですが、提案する方も、了承したスズキも、このマシンの存在意義をどう考えているのでしょう。
なお、当時2本線だったのはゼッケン20(リチャード・シュラクター/マイケル・コール)のGS1000Rです。
他にも
〇フェアリング左右両側の「SUZUKI」の文字の位置が当時と少し異なる
〇前フォークのDUNLOPステッカーは当時はなかった
〇フェアリングのスクリーン下端(左右両側)のDUNLOPステッカーがない
〇テールカウル後部・左右両側のBEL RAYの文字の代わりにSUZUKIになっている
等々の違いがあります。